いろいろ「石」はあるけれど、本当はよく知らない「石」のこと
特に「稲田石」ってどんな石、特徴は????

 

 主にい石英、長石、黒雲母の3つの鉱物により構成。稲田石の構成比は、石英が33.7%長石が62.4%黒雲母が3.8%その他が0.1%です。
 各鉱物の色調は石英がやや透明感のある薄い灰色で、長石が白色、黒雲母はその名のとおり黒色です。60%強を占める白色の長石が、稲田石の色調を決定づけています。花崗岩は、マグマが地下深部より地表5Kmから10Kmに貫入し、ゆっくりと冷え固まったものです。このため各鉱物がゆっくりと成長して、ほぼ同じ大きさの鉱物で構成され、柄、組織が均一になった石


 

 
 鉱物の硬さを知るのにドイツのモース(Mhos)が決めた硬度計があります。柔らかいものから順に、硬度1-滑石 硬度2-石膏硬度3-方解石 硬度4-蛍(ほたる)石 硬度5-りん灰石 硬度6-正長石 硬度7-石英(水晶) 硬度8-黄玉(トパーズ) 硬度9-鋼玉(コランダム・ルビー) 硬度10-ダイヤモンド と決められています。石材で言えば、大理石は主に硬度3の方解石(CaCo3)より成りますが、花崗岩は90%以上が石英、長石より構成されているため、大理石に比べはるかに硬いということが分かります。また、花崗岩が固まった時期が今から6千年前といえあれています。それからさらに隆起侵食が行われ、現在露出した姿になったと考えられています。これは他の国の石材、特に大陸に産する石材のほとんどが、億年単位の古い年代の岩石であるということから考えれば非常に新しい花崗岩といえます。従って時間の経過による劣化をさほど受けていないため鉱物同士の結合が強く、石の組織が締まっているので硬い石になります。
 
 

 
モースの硬度
硬度 サンプル 解説
1 軟石 もっとも柔らかい鉱物
2

石膏

爪で傷つけられる

3 方解石 硬貨で傷つけられる
4 蛍石 ナイフで簡単に傷つけられる
5 燐灰岩 ナイフでやっと傷がつけられる
6 正長石 ナイフで傷がつけられない
7 石英 ガラスに傷がつく
8 トパーズ 石英に傷がつく
9 コランダム トパーズに傷がつく
10 ダイヤモンド もっとも硬い

 
 稲田石の科学成分の分析表が、表1です。(下記)この表を見ればお分かりの通り、稲田石には珪酸分(Sio2)が77%も含まれています。方解石は酸(例えば硫酸)にあうと発砲して溶けてしまいますが珪酸には反応しません。従って稲田石は70%以上の珪酸分を含んでいるので酸(酸性雨)に強い性質を持っているといえます。また、表2(下記)および表3(下記)に稲田石の物理的な性質を示しています。
 これらの表でも明らかなように、稲田石は耐久性があることがお分かりいただけたと思います。
表1 稲田石化学成分表(%) 
SiO2 TiO2
Al2O3 Fe2O3 FeO MnO MgO CaO Na2O K2O P2O5 H2O
77.65 0.19 12.55  0.46  0.98 0.08  0.18   1.44 2.40   4.04  0.03  0.18


表2 物理的性質
比重  吸水率 耐圧試験
破壊荷物 圧縮強度
2.640 0.26% 150t 1500Kg/cm2
200mm×100mm×100mm試験体3本の平均値
 
表3 石材としての性質
炭酸ガス腐食率 耐震強度 耐屈強度 耐摩損量 砂風磨減穴深さ 凍結率 有孔率
0.0103 235.0t 24.413 0.9cc 4.11mm 0.016 1.013%
      • 腐食率 炭酸ガスを飽和状態にした水に7週間侵食した後の体積の減少率 花崗岩の平均0.0188%
      • 耐震強度 ひっぱりに対する強度
      • 耐屈強度 曲げに対する強度
      • 研摩損量 光沢を出すための体積の減少量
      • 砂風摩滅 サンドブラスト機で10.2cm離して石英砂を5分間吹き付けた時の穴の深さ 平均5.5m
      • 凍結率 十分に吸水させた資料を凍結、融解を交互に52回繰り返した後の体積の減少率を現したもの
      • 有孔率 岩石に含まれる気孔の体積率(吸水した岩石の重さ―乾燥した岩石の重さ)×比重÷体積で求める通常花崗岩では1%内外
表1 稲田石化学成分表(%) 
SiO2 TiO2
Al2O3 Fe2O3 FeO MnO MgO CaO Na2O K2O P2O5 H2O
77.65 0.19 12.55  0.46  0.98 0.08  0.18   1.44 2.40   4.04  0.03  0.18


表2 物理的性質
比重  吸水率 耐圧試験
破壊荷物 圧縮強度
2.640 0.26% 150t 1500Kg/cm2
200mm×100mm×100mm試験体3本の平均値
 
表3 石材としての性質
炭酸ガス腐食率 耐震強度 耐屈強度 耐摩損量 砂風磨減穴深 凍結率 有孔率
0.0103 235.0t 24.413 0.9cc 4.11mm 0.016 1.013%
腐食率 炭酸ガスを飽和状態にした水に7週間侵食した後の体積の減少率 花崗岩の平均0.0188%
耐震強度 ひっぱりに対する強度
耐屈強度 曲げに対する強度
研摩損量 光沢を出すための体積の減少量
砂風摩滅 サンドブラスト機で10.2cm離して石英砂を5分間吹き付けた時の穴の深さ 平均5.5m
凍結率 十分に吸水させた資料を凍結、融解を交互に52回繰り返した後の体積の減少率を現したもの
有孔率 岩石に含まれる気孔の体積率(吸水した岩石の重さ―乾燥した岩石の重さ)×比重÷体積で求める通常花崗岩では1%内外